*chronicle*

見たものをわたしの言葉で綴りたい。風景描写の練習ブログです。

2016-01-01から1年間の記事一覧

20151030 - past III

きみへ 昨夜、きみの夢を見ました。きみはいつもと同じようにわたしの隣にいて、わたしが右斜め上を見上げれば、こちらを向いて優しく髪を撫でてくれて。 おでこに触れたくちびるがあまりに優しかったから、夢から覚めてしばらくその場から動けずにいました…

20151022 - past II

きみへ 書こうとしては手が止まってしまったり、あるいは、いざ書きたいことが見つかったかと思えば用事が詰め込まれてしまったり、なかなか思うようには書けないものですね。 きみもきっと、いつもどおり、忙しい毎日を過ごしているんだろうなと思うと、懐…

20151002 - past I

このブログを、だいすきなきみへ贈り続けます。 私はすぐ揺らいでしまうし、きみの足を引っ張り続けることしかできないけれど、きみがすきだと言ってくれた私の文章を、せめて邪魔にならないように、何らかの形できみへ届けたいと思い、書き始めます。 きみ…

miniature garden

まだ新緑の紅葉の葉陰から見上げた陽射は、既に夏のそれを思い起こさせる。灼熱のその身を晒したくて仕方がないかのように、地上のわずかな隙間にもあますことなく降り注ぐ光。そのいたみを和らげるのは、肩口を揺らす風だ。ここは標高が少しだけ高い。 目眩…

melancholy

昼過ぎには間接光だけになるこの北東の部屋は、暑い季節の昼間を過ごすには割と快適な場所だ。足元に抜ける風は熱風気味ではあるものの、西陽が差すまでの数時間、木陰のハンモックのようなこのソファで手足を思い切り伸ばして微睡む。それが、猛暑の中で唯…

Opacare

陽の底を歩いた。 薄い薔薇色の綾に彩られた空がそのまま夏の終わりを迎えに行って、翌日は霧雨がすべてを包みこんでいた。 まだ、恋は恋のままだった。

origin

歳を重ねるごとに、境界線が曖昧になってきた気がする。 自分のなかで確固たるものがあったはずの、想い、考え、理想。 細胞膜が融けて、中にあふれていたものが染みて、混ざり合っていく。 ひとつになることはとても気持ちがいいこと。 かつて見たその言葉…